セミナーでロジカルシンキングを身につける

ロジカルシンキングの帰納法

第1回目 共通項から結論を導く「帰納法」

「論理的なコミュニケーションのファイブ・トリプル」、つまり
5つの「三大チェックポイント」から、「帰納法の三大チェック
ポイント」シリーズの始まりです。

ロジカルシンキングの5つの「三大チェックポイント」って何だっけ…

そもそも5つの「三大チェックポイント」って何だっけ…
という方のために復習しておきましょう。

a) 演繹法の三大チェックポイント
b) 帰納法の三大チェックポイント
c) 事実の三大チェックポイント
d) 枠組みの三大チェックポイント
e) メッセージの三大チェックポイント

というものでしたね。

今回からはこの中の
b) 帰納法の三大チェックポイントについて
勉強していきましょう。

ロジカルシンキングにおける帰納法とは

まずは、そもそも帰納法とは何ぞやというところから
スタートしましょう。

「演繹法」と並べてみると違いが良く分かるかと思います。

【演繹法】
------------------
 ソクラテスは人間である
 人間は必ず死ぬ
 ソクラテスは必ず死ぬ
------------------

【帰納法】
------------------
 ソクラテスという人間は死んだ
 プラトンという人間も死んだ
 アリストテレスという人間も死んだ

 よって

 人間は必ず死ぬ
------------------

ロジカルシンキングでの帰納法と演繹法の違いは?

演繹法は、絶対真理の「ルール」(この場合は、「人間は必ず死ぬ」)に
基づいて結論が導き出されています。

それに対して帰納法は、「あれも、これも、それも」という実例を並べて、
共通項を結論として導きだしているところに違いがあります。

それぞれ結論を導くための方法なのですが
実際にビジネスで活用する場合には注意が必要です。

どんな点に注意が必要なのかは次回から確認していきましょう。
そう、「三大チェックポイント」の活用です。
舞台は、「株式会社スロービズ」の新規ビジネス立案プロジェクトチームです。
お楽しみに!

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ロジカルシンキングの帰納法 第14回 帰納法の三大チェックポイントのまとめを読む
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ロジカルシンキングの帰納法 第2回 「帰納法」を使いこなす司馬遼太郎先生を読む
 
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第2回目「帰納法」を使いこなす司馬遼太郎先生

ビジネスで帰納法を実践するためにはコツがあります。
それがロジカルシンキング帰納法の「三大チェックポイント」。
「株式会社スロービズ」の新規ビジネス立案プロジェクトチームを通して
見ていきましょうと前回ご案内したのですが、その前にちょっと寄り道を…

ロジカルシンキング帰納法を使いこなす作家

「坂の上の雲」と言えば、司馬遼太郎先生の代表作。
NHKでもドラマ化されたので、見た人も多いでしょう。

その中で、「帰納法」が紹介されていました。
というのが今日のロジカルシンキング帰納法の
「三大チェックポイント」の今日のお題です。

司馬遼太郎先生がロジカルシンキングを語る

当たり前ですが、司馬遼太郎先生のお言葉ですから、
私の説明以上にズバリとその本質を付いています。

以下、「坂の上の雲」より引用です。
——————————————-
 かれ(メルマガ発行人注:主人公の秋山真之)は、世界じゅうの
 兵書という兵書を読もうとした。多くは陸軍兵書であった。
 かれは滞米時代からそうであったが、戦術に陸と海のちがいは
 ないという明確な態度をとっていた。

 (中略)

「秋山の天才は物事を帰納する力だ」と、海軍内部ではいわれたが、
 あらゆる雑多なものをならべてそこから純粋原理をひきだしてくる
 というのは、真之の得意芸であった。
——————————————-

いかがでしょうか?
「あれも、これも、それも…」というさまざまな実例を並べて、
そこから共通項を見出して結論として導きだしているということですよね。

なるほど、「帰納する」って言うのは、そういう感覚か、というのが
ダイレクトに分かるのではないでしょうか?

興味のある方は是非「坂の上の雲」をご一読ください。

では、これを踏まえて、次回からチェックポイントの解説にいきましょう。

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ロジカルシンキングの帰納法 第1回 共通項から結論を導く「帰納法」を読む
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ロジカルシンキングの帰納法 第3回 帰納法の三大チェックポイントを読む
 
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第3回目 帰納法の三大チェックポイント

「帰納法の三大チェックポイント」シリーズ、
帰納法とは何ぞやを押さえた上で、今回から三つのチェックポイントを解説します。

具体的には、

 i) 過度の一般化
 ii) ゆるい共通項
 iii) 因果関係のとり違い

です。

実例からロジカルシンキング帰納法を確認

とはいえ、これだけでは分からないので、実例を交えてみていきましょう。
舞台は、「株式会社スロービズ」の新規ビジネス立案プロジェクトチームです。
//clo.ofsji.org/slobiz.php#shokuiku

「食育」をテーマにしているところですが、競合を調査してみると
こんなことが分かってきました。

—————————-
a) 「ペコちゃん」の不二家は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

b) 「白い恋人」の石屋製菓は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

c) 三重県の郷土銘菓「赤福」の「株式会社 赤福」も食育に取り組んでおり、
  しかも3年間増収増益だ
—————————-

さあ、これらの情報をまとめると、要するに何が言えるか?
「帰納法」で、つまり、これらの情報の共通点に注目して考えてみましょう。









ロジカルシンキング帰納法、要するに?

たとえば、こんな「要するに」、共通点が出てきたのではないでしょうか。
—————————-
 (ア) 増収増益をしている企業は、食育に取り組んでいる
 とか
 (イ)食育は、企業業績の向上につながる
—————————-

なんて思わず言いたくなるかもしれません。
いかがでしょうか。

でも、これ、聞き手の立場に立ってみるとどう思うでしょう?
どんなツッコミが入るかを今度は考えてみましょう。
解説は次回!

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ロジカルシンキングの帰納法 第2回 「帰納法」を使いこなす司馬遼太郎先生を読む
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ロジカルシンキングの帰納法 第4回 「ありえね~」と笑いたくなる過激な一般論を読む
 
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第4回目「ありえね〜」と笑いたくなる過激な一般論

「帰納法の三大チェックポイント」シリーズ、実例を見ながら
ハマリがちな罠を考えましょう。

—————————-
a) 「ペコちゃん」の不二家は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

b) 「白い恋人」の石屋製菓は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

c) 三重県の郷土銘菓「赤福」の「株式会社 赤福」も食育に取り組んでおり、
  しかも3年間増収増益だ
—————————-

という事実をまとめると、「要するに」結論として何が言えるでしょうか?

たとえば、

—————————-

 ア) 増収増益をしている企業は、食育に取り組んでいる

とか

 イ) 食育は、企業業績の向上につながる
—————————-

なんて思わず言いたくなるかもしれません。

でも、これ、聞き手はどう思うでしょう?って話でしたよね。

ロジカルシンキング帰納法にツッコんでみる

まず第一に出てきそうなのが
「いくらなんでも、それって言い過ぎじゃない?」
というツッコミじゃないでしょうか?

これが、「帰納法の三大チェックポイント」その1の「過度の一般化」です。

日本だけでも100万社ぐらいある企業の中からわずか3社の情報に基づいて
あたかも増収増益している企業が一般的には食育に取り組んでいるように
主張するのは、言い過ぎ、ということですね。

イ)はさらにすごくって、増収増益の原因が食育にあると言っていますが、
これはア)以上に「それって言い過ぎ」です。

そんなのロジカルシンキングじゃない…

シンプルな例で見ると、「こんなのありえね?(笑)」と思うかもしれませんが、
実は普段のビジネスシーンでもけっこうやってしまっているもの。

一見ロジカルシンキングのようで、オイオイって言いたくなるものあるんですよね…
そんな痛い人にならないように次回は、
具体的なビジネスシーンに出てくる言葉をチェックしてみましょう。

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ロジカルシンキングの帰納法 第3回 帰納法の三大チェックポイントを読む
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ロジカルシンキングの帰納法 第5回 罠を避けようとしたらはまる別の罠を読む
 
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第5回目 罠を避けようとしたらはまる別の罠

「帰納法の三大チェックポイント」シリーズ、第1のチェック
ポイントである「過度の一般化」を見ています。

———————–
a) 「ペコちゃん」の不二家は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

b) 「白い恋人」の石屋製菓は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

c) 三重県の郷土銘菓「赤福」の「株式会社 赤福」も食育に取り組んでおり、
  しかも3年間増収増益だ
———————–

という客観的な事実があったとして、

 増収増益をしている企業は、食育に取り組んでいる

というのは言い過ぎだろ、と。

ロジカルシンキング帰納法“過度の一般化”を防ぐ

では、もう少し厳密に考えていくと?

———————–
 食品を主な商材としていて増収増益をしている企業は
 食育に取り組んでいる

とか、

 消費者向けに食品を販売して増収増益をしている企業は
 食育に取り組んでいる
———————–

ならば、厳密さが出てくるでしょうか?

はたまた、

———————–
 消費者向けの食品を主な商材としていて、食育に取り組んで
 いる企業は増収増益をしている

とか、

 消費者向けの食品を主な商材としていて、食育に取り組んで
 いる企業の中には増収増益をしているところもある
———————–

ロジカルシンキング帰納法チェックの罠

であれば、「うん、まぁそうだよな…」と違和感なく納得できる、
つまり、論理的に正しい意見になっています…

が、グルグルと考え続けると、
実は「帰納法の三大チェックポイント」の
その2、「ゆるい共通項」に陥っちゃうのです。

え?どういうこと?という答は、次回。

ヒントとして、さらに厳密さを増した意見を書いておきます。

———————–
 食品を主な商材としていて、食育に取り組んでいる
 企業の中には増収増益をしているところもある

    ↓

 食育に取り組んでいる企業の中には
 増収増益をしているところもある
———————–

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ロジカルシンキングの帰納法 第4回 「ありえね~」と笑いたくなる過激な一般論を読む
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ロジカルシンキングの帰納法 第6回 ツッコミされずに、ギリギリどこまでいける?を読む
 
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第6回目 ツッコミされずに、ギリギリどこまでいける?

ロジカルシンキング「帰納法の三大チェックポイント」シリーズ、
第1のチェックポイントである「過度の一般化」を徹底的に避ける方法論を
見てきました。

すなわち、

——————
a) 「ペコちゃん」の不二家は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

b) 「白い恋人」の石屋製菓は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

c) 三重県の郷土銘菓「赤福」の「株式会社 赤福」も食育に取り組んでおり、
  しかも3年間増収増益だ
——————

という客観的な事実から引き出せる意見は、

 食育に取り組んでいる企業の中には増収増益をしているところもある

となり、どうだ、これならば、突っ込むスキがない完璧にロジカルな
意見<メッセージ>だろ、と胸を張りたい…

ロジカルシンキング帰納法の罠

と思いきや、聞き手の反応は、

 「だからなんなの?」

という冷たいもの。

これが実は、「帰納法の三大チェックポイント」の
その2、「ゆるい共通項」。

論理を徹底的に突き詰めていくと、「ゆるい」
もしくは、共通点を絞り込めていなくって、

 論理的には正しいけれど、言っても意味がない

い意見になってしまうのです。

ということは…?

そう、帰納法で意見を述べる場合、絶対の正解というものはありません。

むしろ、

 「食育に取り組んでいる企業の中には増収増益をしているところもある」

という「何も言っていない」メッセージを最低ラインとして、
「言い過ぎ」というツッコミが入ることなく
どこまで自分の主観を出していけるのか、がポイントです。

ロジカルシンキング、だから?と言われちゃ意味がない

ニュアンスの違いを一覧で読みとっていただくために、
このシリーズで出てきた意見<メッセージ>を下記に並べていきます。

どこまでならば、「言い過ぎ」と言われないか、考えながら読んでみてください。

 ア) 食育は企業業績の向上につながる

 イ) 増収増益をしている企業は、食育に取り組んでいる

 ウ) 食品を主な商材としていて増収増益をしている企業は
   食育に取り組んでいる

 エ) 消費者向けに食品を販売して増収増益をしている企業は
   食育に取り組んでいる

 オ) 消費者向けの食品を主な商材としていて、食育に取り組んで
   いる企業は増収増益をしている

 カ) 消費者向けの食品を主な商材としていて、食育に取り組んで
   いる企業の中には増収増益をしているところもある

 キ) 食品を主な商材としていて、食育に取り組んでいる
   企業の中には増収増益をしているところもある

 ク) 食育に取り組んでいる企業の中には
   増収増益をしているところもある

個人的には、エ)ぐらいまで言いたいな、と思いますね。
ただ、そのためには、もう少し材料が必要ですけれど。

と言うことで、次回は「帰納法の三大チェックポイント」のその3です。

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ロジカルシンキングの帰納法 第5回 罠を避けようとしたらはまる別の罠を読む
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ロジカルシンキングの帰納法 第7回 系で言えば「天然ボケ」の因果のとり違いを読む
 
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第7回 系で言えば「天然ボケ」の因果のとり違い

「帰納法の三大チェックポイント」シリーズ、
いよいよ第3のチェックポイント、「因果関係のとり違い」を見ていきましょう。

奥深いロジカルシンキング、何の話かっていうと

ずいぶん話が進んできたのですが
今、何の話をしているのかというと…

「論理的なコミュニケーションのファイブ・トリプル」、
つまり5つの「三大チェックポイント」

a) 演繹法の三大チェックポイント
b) 帰納法の三大チェックポイント
c) 事実の三大チェックポイント
d) 枠組みの三大チェックポイント
e) メッセージの三大チェックポイント

の中の
b) 帰納法の三大チェックポイントの部分。

帰納法の三大チェックポイントには
  i) 過度の一般化
  ii) ゆるい共通項
 iii) 因果関係のとり違い

があって、今回はiii) 因果関係のとり違いの話。

ロジカルシンキングってか天然入ってないか?

これは、「論理的な正しさを持ってどこまで言えるか」というよりも、

 理屈としては正しいんだけど、方向性がちがくないか(笑)?

と言うイメージです。系で言うと、「天然ボケ」系とでも言うか…

では、さっそく実例いってみましょう。

——————
a) 「ペコちゃん」の不二家は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

b) 「白い恋人」の石屋製菓は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

c) 三重県の郷土銘菓「赤福」の「株式会社 赤福」も食育に取り組んでおり、
  しかも3年間増収増益だ
——————

から言える意見が、

 「スイーツの会社って、食育に取り組んでるんだねぇ」

というもの。

偽ロジカルシンキング

うむ、たしかに、上記三社はすべて甘いものを扱っていますが…

ちょっとなんか違うんじゃない?もうちょっと別の共通点ってあるでしょ?
って突っ込みたくなりますよね。

さあ、こんな感じでどんどん見ていきましょう。

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ロジカルシンキングの帰納法 第6回 ツッコミされずに、ギリギリどこまでいける?を読む
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ロジカルシンキングの帰納法 第8回 意外と見落とす因果の三角関係を読む
 
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第8回 意外と見落とす因果の三角関係

前回からずっと続いている
「株式会社スロービズ」の新規ビジネス立案プロジェクトチームでの話なのですが…

—————————-
a) 「ペコちゃん」の不二家は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

b) 「白い恋人」の石屋製菓は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

c) 三重県の郷土銘菓「赤福」の「株式会社 赤福」も食育に取り組んでおり、
  しかも3年間増収増益だ
—————————-

からいろいろな意見が出ていましたが、こんなのはどうでしょうか。

これはロジカルシンキング帰納法か

 「以前スキャンダルがあった食品会社は、食育に取り組んでいる」

というもの。

ははーん。
そう言われてみれば、上記の三社とも、
賞味期限の偽装などで社会問題になったことがありますね。

いやー…でも、それと食育は関係ないだろ…?

と思いきや。

意外と別の因果関係があるかもしれません。これまでは、

 ・業績アップ
 ・食育

という2者の間に、

 ・そもそも関連(相関)があるのか
 ・仮に関連するとしたら、因果関係はあるのか

という観点で見てきました。

ロジカルシンキング帰納法の要素は2つだけではない

が、実はもう一つ別の要素が入ってくるのでは?と考えてみると…

これ、一見すると関係ないだろ?と思うかもしれませんが、
実は関係大ありかも。

 食育     好業績
  ↑      ↑
  └スキャンダル┘
という図式です。

つまり、
 ・以前スキャンダルがあった食品会社は
  イメージ回復のため食育に取り組んでいる
 ・以前スキャンダルがあった食品会社は
  その頃と比べると業績は回復している
という二つの因果関係です。

もしもこれが同時に成立するならば…
「食育」と「好業績」は、根っこが同じだけに同時に観測される、
つまり相関関係があるんだけど、因果関係は全くないと考えられます。

キーワードでいうと、「第三因子」といいますが、隠れた因子
<ファクター>が、第一因子と第二因子の間に因果関係が
あるかのように見せていることになります。

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ロジカルシンキングの帰納法 第7回 系で言えば「天然ボケ」の因果のとり違いを読む
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ロジカルシンキングの帰納法 第9回 因果関係を偽装する「第三因子」を読む
 
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第9回 裏は分からないが、表に現れた関係性

「論理的なコミュニケーションのファイブ・トリプル」、つまり
5つの「三大チェックポイント」
a) 演繹法の三大チェックポイント
b) 帰納法の三大チェックポイント
c) 事実の三大チェックポイント
d) 枠組みの三大チェックポイント
e) メッセージの三大チェックポイント

のうちの
b) 「帰納法の三大チェックポイント」シリーズの3つのチェックポイント
 i) 過度の一般化
 ii) ゆるい共通項
 iii) 因果関係のとり違い

のうちのiii) 因果関係のとり違いを見ています。
しつこいようですけど、この全体像を知っているって重要なんですよ。

ロジカルシンキングに登場うる第三因子

ちなみに、前回の「第三因子」って、ピンと来ました?

分かりにくいと感じる人のために、もう一度ここで話を整理して
みましょう。

今現在テーマになっているのは、「食育」と「好業績」の関係です。

——————————————-
a) 「ペコちゃん」の不二家は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

b) 「白い恋人」の石屋製菓は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

c) 三重県の郷土銘菓「赤福」の「株式会社 赤福」も食育に取り組んでおり、
  しかも3年間増収増益だ
——————————————-

という客観的な事実から分かるのは、

 食育と好業績の間には関係がありそうだ

ということ。すなわち、マトリックスで考えるならば、

            │ 好業績 │ 好業績ではない
────────────┼─────┼─────────
食育に取り組んでいる  │  A  │   B
────────────┼─────┼─────────
食育に取り組んでいない │  C  │   D

において、Aの領域の3社が事例として示されました。

これをもって、

 食育と好業績の間には相関関係がある

すなわち、一方の事象(食育に取り組んでいる)が観察されるとき、
もう一つの事象(好業績)も同時に発生しているという相互の関連が
ある、と言えます。

ロジカルシンキングを使って反論もできる

逆に、「いや、そもそもが相関関係すらない」と反対の立場から主張を
したいならば、Bの領域、すなわち、「食育に取り組んでいるけれど
好業績ではない企業」を例として挙げる(それも数多く!)必要が
ありますね。

さあ、では問題。

仮に、ここでは食育と好業績の間に相関関係があるとしましょう。それを
もって、

 食育→好業績

という因果関係、つまり、好業績の原因は食育である、という意見は
成立するでしょうか?

続きは、次回。お楽しみに。

前ページ
ロジカルシンキングの帰納法 第9回 因果関係を偽装する「第三因子」を読む
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ロジカルシンキングの帰納法 第11回 近そうでまだ遠い「相関」を読む
 
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第10回 近そうでまだ遠い「相関」

「帰納法の三大チェックポイント」シリーズ、
相関関係があるものには因果関係があるのか?という、
論理思考の基本を見ています。

ロジカルシンキングをマトリックスで整理</h3
マトリックスで整理した、

            │ 好業績 │ 好業績ではない
────────────┼─────┼─────────
食育に取り組んでいる  │  A  │   B
────────────┼─────┼─────────
食育に取り組んでいない │  C  │   D

において
A、すなわち、「食育と好業績の間には相関がある」が成立するとき、
「好業績の原因は食育である」という因果関係もまた成立するでしょうか。
考えてみてくださいね。




答えは、ノーですよね。

ロジカルシンキングの因果関係と相関関係

もちろん、因果関係がある場合もあります。

でも、因果関係がなくても相関関係がある場合もあり得て、
それが前回紹介した「第三因子」です。

「食育」、「好業績」以外の三つ目のファクター、
「スキャンダル」を議論に取り入れることにより、

 食育     好業績
  ↑      ↑
  └スキャンダル┘

という因果関係の可能性を見ました。

つまりは、「食育」と「好業績」の間に因果関係がなくても、それらが
同時に起こる相関関係はあり得ることを示唆しています。

ロジカルシンキングで重要な「意見」

これが大事なのは、「意見」が大きく違っているから。
万が一、「食育」→「好業績」という誤ったの因果関係を信じてしまったら、
「業績アップを目指して『食育』に取り組もう!」なんて、これまた誤った
判断をしてしまうでしょう。

でも、実際は因果関係があるわけではないので、
食育に取り組んだけれど、いつまでたっても好業績にはならない、
という結果になってしまいます。

逆に、真の因果関係が分かっていれば、
食品にまつわるスキャンダルに巻き込まれてしまった会社、
(たとえば「ユッケ問題」「O-157問題」の会社とかでしょうか)
は、食育に取り組むことによって企業イメージの
アップと好業績を狙っていけることが想定されます。

このような経営上の意思決定を正しく行うためにも、正確な因果関係を
見抜く必要があり、このシリーズでは「因果の誤認」を丁寧に見ている
ゆえんもそこにあります。

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ロジカルシンキングの帰納法 第10回 裏は分からないが、表に現れた関係性を読む
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言われてみればサルでも分かる「因果の逆転」

「帰納法の三大チェックポイント」シリーズ、相関関係と因果関係の
違いを見てきて、そこには因果関係がなかった、という結論になりそうな
流れですが、実は因果関係があり得る、というのが今日のテーマ。

キーワードは、「因果の逆転」です。

例によって状況は、

——————
a) 「ペコちゃん」の不二家は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

b) 「白い恋人」の石屋製菓は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

c) 三重県の郷土銘菓「赤福」の「株式会社 赤福」も食育に取り組んでおり、
  しかも3年間増収増益だ
——————

というもの。

さあ、「第三因子」とかは関係なく、ほんとうの因果関係があるとしたら、
それは何?

これまでは、

 食育 → 好業績

という方向で因果関係を考えていましたが、もしもこれが逆だったら?

つまり、

 食育 ← 好業績

言葉にするならば、

 好業績な企業は食育に取り組んでいる

もしくは、もう一歩踏み込んでいうならば、

 好業績の企業は、食育という儲かるかどうか分からない
 分野に取り組んでいる

あるいは、ちょっと飛躍になりますが、

 食育という儲かるかどうか分からない分野に取り組めるのは
 儲かってる企業だけだ

なんて意見も引き出せそうです。

つまりは、「食育によって好業績がもたらされている」という、最初に
言いたかったこととは全く「逆」の結論になる可能性もあるのです。

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ロジカルシンキングの帰納法 第12回 真の因果を見抜くという経営者の役割を読む
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帰納法の三大チェックポイントのまとめ

「帰納法の三大チェックポイント」シリーズ、第三のチェックポイントの
「因果のとり違い」を見てきました。

 「スイーツの会社って、食育に取り組んでるんだねぇ」

という、天然ボケ系の方向が違う意見や、

「スキャンダル」という第三因子によって説明される、相関関係は
あるけれど因果関係はないという罠、そして、因果の逆転で、そもそも
最初に言いたかったことと全く違う結論になってしまう、とうい例を
見てきました。

まとめるならば、

帰納法の三大チェックポイント
 i) 過度の一般化
 ii) ゆるい共通項
 iii) 因果関係のとり違い
  ・方向違い (天然ボケ)
  ・第三因子
  ・因果の逆転

となります。

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ロジカルシンキングの帰納法 第13回 言われてみればサルでも分かる「因果の逆転」を読む
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