ロジカルシンキングの考え方の一つで、「この部屋にピンポン球は何個入るか?」のように、推測だけで何かを考えることを指す。コンサルティング会社の面接でよく使われる手法である。

コンサル面接でフェルミ推定が使われるわけ

コンサルティング会社といえば、他の企業に行って経営へのアドバイスをするのが仕事です。有名なところでは、マッキンゼーやボストン コンサルティング グループ (BCG)の名前を聞いたことがある人も多いでしょう。年収も高いため人気の就職先で、たくさんの応募者が訪れるので、その中からピカイチに優秀で地頭がいい人を見つけるためにフェルミ推定を使った採用試験が設けられることがあります。

だって、考えてみてください。就職の面接で、「志望動機は?」、「当社に入社したら何をしたいですか?」と聞いて優秀なコンサルの卵を見つけられるわけはありません。別の角度から思考力と思考特性をはかる必要があるのです。それが冒頭にも述べた「この部屋にピンポン球は何個入るか?」という質問。

フェルミ推定は仮置きに基づいて推測する

フェルミ推定の質問をされたら、どんな風に答えるのが正解でしょうか?当然、「いや、…そんなの全然わかりません」というのはダメ。こんな答えをしようものなら、「あ、この人は思考力がないな」と判断されて、面接に落ちてしまいます。

かといって、「そうですね…。100万個ぐらいですか?」とテキトーに答えるのもダメ。こんな答えをしたら、「この人は、そもそもが考える習慣がない」と判断されて、やっぱり面接に落ちてしまいます。

はたまた、「スマホで調べると…」というのもダメ。なぜならば、コンサル会社の面接で求められるのは、思考力であって検索力ではないから。どこかで誰かが言っていることをソノマまだしてもコンサルティングは成立しません。むしろ、ゼロベースで徹底的に考え抜く必要があるのです。

むしろ正解は、様々な仮置きをして考えること。「仮にピンポン球の大きさを、直径3cmとします。そしてこの部屋は、横幅が3mぐらいですから、100個ぐらいのピンポン球が並びます。そして縦幅は6mぐらいですから…」と、理屈で推測をしていくことが求められます。

結論が出たら検証する

そして、フェルミ推定は答えが出ただけで終わりではありません。なぜならば、先ほどの計算は「仮置き」が前提になっているから。「この部屋は横幅3mぐらい」といっていますが、それが本当に正しいかどうかを確認、すなわち検証する必要があります。具体的な台詞で言うならば、下記のようになります。

「先ほどは、部屋の横幅を3mと仮置きしましたが、今度はそれを検証したいと思います。私の身長は170cmです。もしよろしければ私が横になって『メジャー』代わりとなって測定したいと思いますが、いかがでしょうか?」

このように、仮置きと論理的な推測、そして検証からなるのがフェルミ推定です。

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