ロジカルシンキングの考え方の一つで、「基本的な考える力」を意味する。スポーツの世界で言う「地力」、つまり、試合での勝負強さなどとは別の、そのアスリートが本来持っている力、から来ている。
地頭力があるコンサルタント
「地頭」もしくは「地頭力」は、コンサルティング業界でよく使われます。
先日も、ある著名コンサルティング会社の社長と話していたとき、印象的なフレーズがありました。新たに採用した人が優秀だという話で、「彼は説明が上手なんだよね」、と。その方は本格的な登山を趣味にしているそうですが、雪山の情景を語るのが秀逸なんだとか。単に「雪が…」とか「クレバスが…」ではなく、「厳冬期のヒマラヤでは、丸ビルぐらいの大きさの氷塊が落ちてくるんですよ」、など臨場感がある説明ができるのです。「そういう説明ができる人って、やっぱり地頭力を感じるよね」、とその社長は話を締めくくりました。
このように、基本的な考える力、それを上手に発信(アウトプット)する力が地頭力です。
大人になっても伸ばせる地頭力
地頭力は、その名前からつい「持って生まれたもので変えられない」と勘違いされますが、実際のところは大人になってから伸ばすことも可能です。もちろん、遺伝的に決まる部分もあります。研究結果によると、だいたいその割合は50%ぐらいだとか。ということは逆に50%は環境要因で決まるのでしょう。そして、子供の頃の過ごし方によって決まってくる側面も大きくあります。
一方で、大人になってからでも地頭力を伸ばせる可能性はあります。たとえば、知能とともに「持って生まれたもの」、あるいは「大人になったら変わらないもの」と思われがちな性格も、十分変わる余地はあるのだとか。たとえば、「ビッグ5」と呼ばれる性格要素の中では、「真面目さ (目標と規律を持って強くやり抜く資質)」や「協調性 (思いやりや優しさ)」は20代30代になっても伸びるのだそうです。
地頭力アップの秘訣はたとえ話
では、どうやって大人になってから地頭力を伸ばすのか、と言うヒントが冒頭のコンサルティング会社の社長の話にあります。地頭力のある部下が、部下が雪山を説明するのに「丸ビルぐらいの大きさ」というたとえ話を使ったというエピソードでした。実はこのような「たとえ話」が地頭力を上げるコツ。
たとえ話は、「丸ビル」と「氷塊」の様な一見すると異なるものの間に共通点を見つけることです。この際、「氷塊」という具体物を抽象的に考えるとどうなるか、と言う思考がはたらきます。このような具体と抽象を行ったり来たりする発想が地頭力につながります。
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