地頭とは「どんな時代でも生き抜いていける力」
「地頭」(じあたま)という言葉、聞いたことがあるでしょうか?コンサルティング会社などで、「彼は『地頭』がいい、わるい」なんていう評価基準になる場合もある、いわゆる頭の良さです。この地頭をわずか30日でよくする方法があるというのが石田先生の著書「30日間で身につく「地頭」が育つ5つの習慣」です。
石田先生は地頭を
どこでも、どのような時代でも、生き抜いていけるだけの素地
と捉え、これを下記4つの構成要素に分けて鍛えることが可能だというのが本書の趣旨です。
- 観る
- 考える
- 見抜く
- 話す
ちなみに著者の石田先生は塾の経営をされていて、執筆時点では東京大学教育学研究科博士課程に在籍とのこと。これら経験+理論がまとまっているのが本書です。
21世紀型教育が求められる今
本書の根底には、
世界が変化し、社会が変化し、「従来の教育のあり方では対応が難しい」
というものが前提として横たわっています。結果として、「20世紀型教育」、いわゆる講義形式による詰め込み教育から、「21世紀型教育」に変わっているのが今の時代である、と。これを如実に表すのが2020年に行われる教育の大変革、すなわち学習指導要領の大改訂です。知識詰め込み型から知識を使いこなすことに重点が置かれ、考える力、コミュニケーション能力、自分の意見を言う力、チームワーク、クリエイティビティなどが涵養されるべきという教育観への大転換。米国発の21世紀型スキルATC21Sが話題に上ることも多く、その詳細へのぜひはともかくとして、知識獲得が簡単になった時代に対応するという観点では大賛成です。
そして、石田先生曰く、
地頭をよくすることで、知識を自然なかたちで吸収し、さらにそれが活用できる21世紀型教育をまるまるやってしまおう!
と本書で主張されているそうです。
地頭をよくする5つの習慣
具体的な方法論としては、下記の5つを習慣化すべきと言うのが本書の主張。
- 第1の習慣:「前を見る」習慣
- 第2の習慣:「脳を動かす」習慣
- 第3の習慣:「観る」習慣
- 第4の習慣:「見抜く」習慣
- 第5の習慣:「話す」習慣
ちなみにこれらは並列ではなく、第1の習慣が最も基礎的、第2の習慣がその次になり、第3,4,5の習慣は、タイプに応じて使い分けてもいいとのこと。石田先生は塾の経営者だけあって子供に応じた説明をしていますが、外に出かけることが多い子だったら第3の習慣を、図鑑が好きまたは絵を描くことが好きな子だったら第4の習慣をすすめる、と言う具合です。
この中でとくに面白いと思ったのは第2の習慣「脳を動かす」で説明されている、「ロジカルな思考が養成される2つのマジックワード」というもの。それが、
要するにどういうこと? in a word?
たとえばどういうこと? for example?
と言うもの。これらによって具体と抽象を行ったり来たりしながら考えるのが脳を動かす習慣につながるとのこと。加えて、「クリエイティブな思考を手に入れるたった2つのマジックワード」では、
なぜ? why?
どうすれば? how?
が紹介されています。これってロジカルシンキングの世界で言われる”so what?”、”why so”と似た問いで、要するに考えるという観点では、重要なのはこのような問いに集約されるのでしょう。
ということで、子供をお持ちで地頭をよくしたいと思うご両親はもちろん、ご自身の思考のバージョンアップを図りたい方はチェックしてはいかがでしょうか?
画像はアマゾンさんからお借りしました。
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