ロジカルシンキング「帰納法の三大チェックポイント」シリーズ、
第1のチェックポイントである「過度の一般化」を徹底的に避ける方法論を
見てきました。

すなわち、

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a) 「ペコちゃん」の不二家は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

b) 「白い恋人」の石屋製菓は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

c) 三重県の郷土銘菓「赤福」の「株式会社 赤福」も食育に取り組んでおり、
  しかも3年間増収増益だ
——————

という客観的な事実から引き出せる意見は、

 食育に取り組んでいる企業の中には増収増益をしているところもある

となり、どうだ、これならば、突っ込むスキがない完璧にロジカルな
意見<メッセージ>だろ、と胸を張りたい…

ロジカルシンキング帰納法の罠

と思いきや、聞き手の反応は、

 「だからなんなの?」

という冷たいもの。

これが実は、「帰納法の三大チェックポイント」の
その2、「ゆるい共通項」。

論理を徹底的に突き詰めていくと、「ゆるい」
もしくは、共通点を絞り込めていなくって、

 論理的には正しいけれど、言っても意味がない

い意見になってしまうのです。

ということは…?

そう、帰納法で意見を述べる場合、絶対の正解というものはありません。

むしろ、

 「食育に取り組んでいる企業の中には増収増益をしているところもある」

という「何も言っていない」メッセージを最低ラインとして、
「言い過ぎ」というツッコミが入ることなく
どこまで自分の主観を出していけるのか、がポイントです。

ロジカルシンキング、だから?と言われちゃ意味がない

ニュアンスの違いを一覧で読みとっていただくために、
このシリーズで出てきた意見<メッセージ>を下記に並べていきます。

どこまでならば、「言い過ぎ」と言われないか、考えながら読んでみてください。

 ア) 食育は企業業績の向上につながる

 イ) 増収増益をしている企業は、食育に取り組んでいる

 ウ) 食品を主な商材としていて増収増益をしている企業は
   食育に取り組んでいる

 エ) 消費者向けに食品を販売して増収増益をしている企業は
   食育に取り組んでいる

 オ) 消費者向けの食品を主な商材としていて、食育に取り組んで
   いる企業は増収増益をしている

 カ) 消費者向けの食品を主な商材としていて、食育に取り組んで
   いる企業の中には増収増益をしているところもある

 キ) 食品を主な商材としていて、食育に取り組んでいる
   企業の中には増収増益をしているところもある

 ク) 食育に取り組んでいる企業の中には
   増収増益をしているところもある

個人的には、エ)ぐらいまで言いたいな、と思いますね。
ただ、そのためには、もう少し材料が必要ですけれど。

と言うことで、次回は「帰納法の三大チェックポイント」のその3です。

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