儲けを表す損益計算書
利益=売上-費用はもともとは複式簿記の概念です。売上、すなわちお客様からいただいたお金の総額から、費用、すなわち誰かに支払ったお金を差し引いたものが会社の利益であることを意味します。
会計の世界では、このフレームワークは損益計算書を指し、貸借対照表、キャッシュフロー計算書と並んで財務三表の一角を担います。貸借対照表はストック、すなわち財産の蓄積を表すのに対し、損益計算書はフロー、つまり毎年毎年のお金の流れを表すという違いがあります。
ロジカルシンキングと利益=売上-費用
上述の通り、利益=売上-費用は会計の概念ですが、同時にロジカルシンキングにおけるビジネスの8大フレームワークの一部でもあります。たとえば、「なぜ当社は儲からないのか」という問題を解決するためにロジカルシンキングを使うことを考えてみましょう。スタートポイントは「売上が少ないのだろうか?それとも、費用が多すぎるのだろうか?」と考えることになります。仮にここで、売上が少ないことが明確になれば、売上をアップするための打ち手を採るべきですし、売上に問題がないとすれば、費用をさらに細分化していくことになります。「では、費用のうちどこが問題か?仕入なのか販売費及び一般管理費(販管費)なのか?もし販管費だとしたら、どの項目か?」と分解していき、もっとも問題が大きい項目に手を打つのが、ロジカルシンキングを使った問題解決のステップになります。
このように見ると、利益=売上-費用はMECEになっていることがわかり、ロジカルシンキングのフレームワークとして見た場合のクオリティが高さもうなづけるでしょう。
ステークホルダーへのお金の配分を表すのが損益計算書
利益=売上-費用のもう一つの意味合いは、会社の利益を誰に配分しているかを表したもの、です。上述の通り費用は「誰かに支払ったお金」ですが、「誰か」というのは会社を取り巻く利害関係者(ステークホルダー)を表します。すなわち、損益計算書は、どのステークホルダーに対していくらを支払ったかの配分表となります。
ステークホルダーは、具体的には、
- 仕入元
- 社員
- 銀行
- 国
- 株主
です。売上から仕入元に支払った費用を差し引いたものを「粗利」、粗利から社員に支払った費用を差し引いたものを営業利益、営業利益から銀行への利息を差し引いたものを経常利益、経常利益から国に支払った税金を差し引いたものを当期純利益、当期純利益から株主に支払った配当を差し引いたものを内部留保と呼びます。
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