「帰納法の三大チェックポイント」シリーズ、
相関関係があるものには因果関係があるのか?という、
論理思考の基本を見ています。

ロジカルシンキングをマトリックスで整理

マトリックスで整理した、

            │ 好業績 │ 好業績ではない
────────────┼─────┼─────────
食育に取り組んでいる  │  A  │   B
────────────┼─────┼─────────
食育に取り組んでいない │  C  │   D

において
A、すなわち、「食育と好業績の間には相関がある」が成立するとき、
「好業績の原因は食育である」という因果関係もまた成立するでしょうか。
考えてみてくださいね。




答えは、ノーですよね。

ロジカルシンキングの因果関係と相関関係

もちろん、因果関係がある場合もあります。

でも、因果関係がなくても相関関係がある場合もあり得て、
それが前回紹介した「第三因子」です。

「食育」、「好業績」以外の三つ目のファクター、
「スキャンダル」を議論に取り入れることにより、

 食育     好業績
  ↑      ↑
  └スキャンダル┘

という因果関係の可能性を見ました。

つまりは、「食育」と「好業績」の間に因果関係がなくても、それらが
同時に起こる相関関係はあり得ることを示唆しています。

ロジカルシンキングで重要な「意見」

これが大事なのは、「意見」が大きく違っているから。
万が一、「食育」→「好業績」という誤ったの因果関係を信じてしまったら、
「業績アップを目指して『食育』に取り組もう!」なんて、これまた誤った
判断をしてしまうでしょう。

でも、実際は因果関係があるわけではないので、
食育に取り組んだけれど、いつまでたっても好業績にはならない、
という結果になってしまいます。

逆に、真の因果関係が分かっていれば、
食品にまつわるスキャンダルに巻き込まれてしまった会社、
(たとえば「ユッケ問題」「O-157問題」の会社とかでしょうか)
は、食育に取り組むことによって企業イメージの
アップと好業績を狙っていけることが想定されます。

このような経営上の意思決定を正しく行うためにも、正確な因果関係を
見抜く必要があり、このシリーズでは「因果の誤認」を丁寧に見ている
ゆえんもそこにあります。

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