「フォロワーシップ」と言う言葉、聞いたことがあるでしょうか?

多くの職場で、

指導者 → 部下

という一方通行で捉えられていた「リーダーシップ」を根底から覆す概念で、リーダーシップを発揮させるためには部下(フォロワー)にもできることがあるというのがその本質です。この、フォロワーシップを発揮するコツとして、ロジカルシンキングを紹介します。

常識がひっくり返るフォロワーシップ

まずはフォロワーシップの解説から。実は一口にフォロワーシップと言っても、「上司を動かすフォロワーシップ」の著者、上田典生氏によると5つのタイプに分けられるとのこと。

  • 協働者:批判と貢献を使い分けて成果を出す
  • 実践者:言われた範囲内のことは着実に行う
  • 破壊者:あまり貢献せず批判ばかりする傾向
  • 逃避者:上司とのかかわり自体から目を背け、行動する意思が希薄
  • 従属者:あまり批判せず貢献ばかりする傾向

実はこれを判定するのは二つの軸で、「貢献力」と「批判力」。それぞれ、

貢献力:組織の決定やリーダーの指示を前向きに受け入れて実現に向けて動くフォロワーとしての行動力

批判力:組織の決定やリーダーの指示を自分なりに吟味して提言したり、健全な批判を行うフォロワーとしての発言力

となります。この「批判力」というのが大事で、フォロワーシップというのは単に上司の言われたままに言うだけではないことが重要なのでしょう。

フォロワーシップに必要な「上司マネジメント」

では、どうやったらフォロワーシップを発揮できるか?というときのもっとも大事なのが、

現場の判断を上司に正しく伝える

ということ。もちろん、先ほど書いたように健全な「批判力」は大事です。ただ、いきなり部下から、「それは違うんじゃないんですか?」のような批判的な意見を出されたら上司だってカチンときますよね?そう、実は上司に対して批判力を発揮する前に、信頼関係を構築することが必要です。それがあってはじめて上司の方も、「コイツの言うことなら、真剣に聞いてみよう」となるのです。

ちょっと難しい言葉になりますが、リーダーシップの世界では「特異性信用 (Idiosyncrasy Credit)」という用語があります。定義は「その集団の目標の達成に貢献することで、逆に『その集団の規範を逸脱して良い』という信用を獲得できる」と言うことで、1970年に米国の研究者Hollanderなどによって提唱されました。

上司と部下の関係に戻ると、普通の上司は部下に対して、「自分の言うことを聞いて行動するのが当たり前」というイメージを抱いています。このような上司に対して批判力を発揮するためには、上述の「規範を逸脱してよい」という信用を得る必要があるのです。

なお、余談になりますが、信頼関係に関してはもう一つの用語があって、それが「成員性信用 (Membership Credit)」と呼ばれるものです。これは、「その集団の規範を備えたり、集団アイデンティティを尊重することで獲得できる信用」と定義され、要するに上司からかわいがってもらえる部下、というイメージでしょう。でも、この成員性信用では上司への批判力を発揮するのが難しいものです、普段かわいがっている部下から批判されたら、「飼い犬に手をかまれた」と思ってしまいますからね。

実際、「デキる」ビジネスパーソンは、おしなべて特異性信用を使った「上司マネジメント」が上手なものです。

では、どうやって特性信用を獲得するかと言うときに最も基礎になるのが、このパートの最初に述べた「現場の判断を上司に正しく伝える」ことです。例えばお客様からクレームをいただいたときに、言い訳を交えずまずは事実関係を報告する。あるいはモノゴトがうまくいったときにも、手柄を誇ることなく淡々と自分の行動を伝える。このような部下には上司も一目置かざるを得ずに、これが特異性信用につながっていきます。

逆に、言い訳したり調子に乗ったりだと、かわいげはあって成員性信用は得られるかもしれませんが、批判力にはつながらなさそうですね。

コミュニケーションを変えるロジカルシンキング

とはいえ、実際の職場では、自分の言いたいことがなかなか伝わらず、「バカの壁」ならぬ「上司の壁」を痛感している人も多いことでしょう。それならば、コミュニケーションの基本も根底から覆してみませんか?と言うのがここで言いたいことです。これまでは、

話し手 → 聞き手

という一方通行になりがちだったものを、むしろ聞き手中心のコミュニケーションに変えれば、これまでぶち当たっていた「上司の壁」だって、たやすく乗り越えられるものです。

これに必要なロジカルシンキングをセミナーで学ぶことができます。

ロジカルシンキングセミナーで学ぶ内容

  • 「人を動かす」、脳内イメージ投影法
  • 聞き手の興味がわかるモチベーション・マトリックス
  • 論理がなきゃダメ、でも論理だけでもダメ
  • 聞き手をコントロールする「脳内マップモデル」

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