サッカーというのは、数あるスポーツの中でももっともビジネスに近いものではないでしょうか。プレイヤーの役割も、ゲームの状況も流動的な中で、一人一人が自立的に判断しつつ、組織としての目的を実践するという観点において。
ですので、サッカーにおいて言語によるコミュニケーションが重視されるのは当たり前、というのを納得させてくれた好著です。
基本はもちろんサッカーですが、日本人の国民性や教育についても考えさせられます。
途中では、「ヨーロッパ礼賛で何かな~」とも思いましたが、最後の方に日本の話も出てきます(とはいえ、それが藤原正彦氏につながるのでアレですが)。
以下、ポイントを。
●サッカーで必要なメンタルスキル
自己決定力
創造力
●日本サッカー協会がやっている言語技術トレーニング
再話
問答ゲーム
絵の分析
U-6
鬼ごっこはどうしてサッカーの役に立つの?
みんなで楽しく意見を交換
強いキックは何のため?
U-8
察しの悪い大人を演じる
具体的な指示-行動の理由
問答ゲーム
視点を変えて考える
U-10
「知らない」、「別に」に対抗する
問答ゲーム 賛成・反対
絵の分析 状況分析力と論証力を育てる
U-12
発言に責任を持つ-主語の認識
理由の中身をみんなで考える-「がんばる」の中身は人それぞれ
視点を変えて考える
●バカ蹴り
トーナメント形式が原因との仮説も
●「勉強がよくできる子供たちが、サッカーでもエリートの道を選んでいるようです。日本のように「勉強とスポーツのどちらを選ぶのか」といった、そもそもがナンセンスな選択などしなくてよいような環境が整っているのでしょう。
●改革の見取り図
クリエイティブでたくましい選手に
よい習慣の追求「基本の習慣化」
判断をしよう
On the pitch
パーフェクトプレー
観る→判断
技術
クリエイティブなプレー
Off the pitch
食事・ルール・休息・あいさつ
1. 自分のものの管理に責任を持とう
2. ルールを守ろう
3. あいさつをしよう
4. サッカー選手として何をすべきかいつも考えよう
5. 何事にも積極的に!前向きに!
自己管理
勝利のためのメンタリティ
戦う姿勢、勝利への執念
Be Alert!
向上心・プライド
●少年サッカーの指導
ゲームの結果にこだわるよりも、「勝とうという努力をしたのか、しなかったのか」というところに厳しくこだわるべきだと思います。
選手が将来ピークを迎えるためには今何をすべきか
中一、中二の子供たちには、技術と持久力そして判断力しか教えていません
「チームづくり」はしていません。すなわち、特定のポジションは決めていないのです。前半はフォワードになり、後半はストッパーになったりというように
サッカーは失敗のスポーツ。ですから、失敗できる体験は、とても大切なのです。試行錯誤で何度も何度も失敗するからクリエイティビティが生まれてくる
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