クリティカル・シンキングは英語では Critical Thinking。
クリティカル・シンキングは健全な批判的思考
英語のCriticalは、「本質的な」、「最低限必要な」、「重要な」など様々な意味を持つが、ここでは「批判的な」と言うニュアンスで使われている。すなわち、Critical Thinking = 批判的な思考法である。
ただし、誰でも彼でも批判しようと言うわけではなく、求められるのは健全な批判精神。モノゴトをあるがままに受け入れるのではなく、「本当にそうなのか?」という疑いの眼を持ってみようという姿勢も含めた思考法である。
キャロル・ヴォーダマン著、イラストで学ぶスタディスキル図鑑:自ら学習する力をつけるでは、このクリティカル・シンキングを「探偵の仕事」に例えている。シャーロック・ホームズのように、入手した証拠(情報)をじっくり調査しながら、それらをつなぎ合わせて犯人に迫ろうという考え方である。
クリティカル・シンキングの力を伸ばす7箇条
上記の本では、
クリティカル・シンキンの力は、伸ばし続けることができます。客観性を保ち、既に確立している主観的見解に頼らないようにすればよいのです。
としたうえで、クリティカル・シンキングの力を伸ばすための下記の7つの行動を提唱しています。
- 好奇心を持つ:心を広く持ち、新しいアイデアを受け入れる。
- 集中する:物事を判断する際には何が関係するのか常に意識を持ち、「だからどうしたのか?」と自分に問う
- 記録をとる:考えを書き留める。アイデアが急に思いついてすでにすぐに忘れてしまうから。もしくは文字にしたりあとから見直すことでアイデアが膨らむから。
- 分析する:描写するのではなく分析をするなぜ自分はいよや発言を取り入れたいのか正確に分析をする
- 両面を見ているか:物事の様々な面を 眺め可能な地点すべてを考慮に入れる
- アイデアをやりとりする:ほかの人とアイデアをやりとりする。友達や家族や教師とアイデアについて議論する。そしてほかの人の意見がどのように新しい展開をもたらすかを考える
- 懐疑的な姿勢を保つ:水面下に何が隠れているのか、あるいは本を読むときは著者の意図を考える。そしてファクトか意見かそれともバイアスがかかってるのかを確認する
クリティカル・シンキングを妨げる思考のクセ
上述の本では、クリティカル・シンキングを妨げる思考パターンとして、下記の3点が挙げられています。
- バイアス:特定の視点からの見解を過度に強調すること情報の偏り
- プロパガンダ 不完全又は虚偽の情報。極端な道徳や政治的視点を支えるために使われることが多い
- 誤謬 論における誤り誤謬に基づく議論には欠陥があるか誤っている
これらは、行動経済学で言うところの「ヒューリスティック」に基づくものでしょう。その前提として、人間の脳というのは極めてエネルギーを消費する器官であって、「楽」をしたがると言うことがあります。その意味では、クリティカル・シンキングは、以下に頭を(むりやり)働かせるか、という点にも関係してきます。
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