「論理的なコミュニケーションのファイブ・トリプル」、
つまり5つの「三大チェックポイント」

a) 演繹法の三大チェックポイント
b) 帰納法の三大チェックポイント
c) 事実の三大チェックポイント
d) 枠組みの三大チェックポイント
e) メッセージの三大チェックポイント

のうちの
b) 「帰納法の三大チェックポイント」シリーズの3つのチェックポイント
 i) 過度の一般化
 ii) ゆるい共通項
 iii) 因果関係のとり違い

のうちのiii) 因果関係のとり違いを見ています。
しつこいようですけど、この全体像を知っているって重要なんですよ。

ロジカルシンキングに登場する第三因子

ちなみに、前回の「第三因子」って、ピンと来ました?

分かりにくいと感じる人のために、もう一度ここで話を整理して
みましょう。

今現在テーマになっているのは、「食育」と「好業績」の関係です。

——————————————-
a) 「ペコちゃん」の不二家は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

b) 「白い恋人」の石屋製菓は食育の先端的な取り組みをしている
  企業であり、この3年間業績も増収増益だ

c) 三重県の郷土銘菓「赤福」の「株式会社 赤福」も食育に取り組んでおり、
  しかも3年間増収増益だ
——————————————-

という客観的な事実から分かるのは、

 食育と好業績の間には関係がありそうだ

ということ。すなわち、マトリックスで考えるならば、

            │ 好業績 │ 好業績ではない
────────────┼─────┼─────────
食育に取り組んでいる  │  A  │   B
────────────┼─────┼─────────
食育に取り組んでいない │  C  │   D

において、Aの領域の3社が事例として示されました。

これをもって、

 食育と好業績の間には相関関係がある

すなわち、一方の事象(食育に取り組んでいる)が観察されるとき、
もう一つの事象(好業績)も同時に発生しているという相互の関連が
ある、と言えます。

ロジカルシンキングを使って反論もできる

逆に、「いや、そもそもが相関関係すらない」と反対の立場から主張を
したいならば、Bの領域、すなわち、「食育に取り組んでいるけれど
好業績ではない企業」を例として挙げる(それも数多く!)必要が
ありますね。

さあ、では問題。

仮に、ここでは食育と好業績の間に相関関係があるとしましょう。それを
もって、

 食育→好業績

という因果関係、つまり、好業績の原因は食育である、という意見は
成立するでしょうか?

続きは、次回。お楽しみに。

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