「交渉による合意の形成」シリーズ、題材とした「異物混入事件」を解決するための体制作りの合意の形成が出来たようです。

ロジカルシンキング~合意の形成

 「では、今回の問題の解決には、『対策チーム』を作って、その指揮を
  広報室の音部室長にとっていただきたいと思います。」

 「対策チームは社長直轄になりますので、音部室長は社長への報告を
  定期的にお願いします」

 「他の部門も、対策チームに派遣する人1名を出来るだけ早く決めてください」

 「製造部は、今回の異物混入の原因究明にあたっては、適宜対策
  チームへの報告と、指示に従うようにお願いします」

 「当社のような食品メーカーにとっては、今回のような問題は
  死活問題になりかねません。ぜひ全員で力をあわせて乗り切りましょう。

  一方、他社の事例を見ても、このような問題に誠実に対応した
  場合には、お客様から前以上の信頼を獲得できるものです。

  では、音部室長。対策チームのリーダーとして、ひと言お願いします。」

いかがでしょう?「汚れ仕事」の押し付け合いではなく、合理的な
そして建設的な合意の形成が出来たのではないでしょうか。

ロジカルシンキング~タフネゴシエーター

このシリーズの最初にも書きましたが、「交渉」と聞くと、利害の対立する2者が、自分の言い分を通すために声高に主張するイメージがあります。

でも、実際のところは、さまざまなカードを付け加えて、「この条件は譲るから、別の条件はこっちに有利なようにしてよ」と、やりとりしていくと、お互いにハッピーな状況に持ち込めるものです。

もしくは、別の見方もあって、交渉で最も重要なのは事前準備と分かりますよね?

いざ交渉の場でどう駆け引きするかも大事ではあるのですが、それ以上に大切なのは、事前に、

 ・この交渉にはどんなカードがあり得るか?
 ・自分たちの最優先カードは何か?
 ・相手にとって最優先カードはなんだろうか?

を考えることにあります。

本当の意味での「タフ・ネゴシエーター」というのは、これができている人のことなんですよね。

そして、実はもう一つ。

 ・どこまでなら譲歩してもいいのか

を考えることも大事です。

場合によっては、交渉をしても合意に至らない方が返って自分の利益は損なわれない、と言うことがあるものです。

キーワードは、BATNA (バトナ)。詳しくは、「交渉による合意の形成」シリーズその2で。

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クレーム対策チーム発足の裏側

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