人工知能(AI)やロボット化の時代、よりよいキャリ作りのためにロジカルシンキングを学びたい…。そんな人が思わず手にとってしまうかもしれないのが山口揚平先生のご著書、「1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法」です。
思考のツールロジックツリー
本書で山口揚平先生が勧めている二つの思考のツールがロジックツリーとコーザリティマップです。
ロジックツリーは物事を分解整理するためのツールで、その作り方のコツが下記になります。
- 可能であれば2つに分ける
- 2つに分けたときのペアをいくつも考える
- 普遍的な二項対立を多く知っておく
- 思い浮かぶ具体的な項目の「意味合い」を抽象化・概念化してみる
- 頭が混乱したら、トイレや風呂で考えてみる
- 「それ」と「それ以外」に分けてみる
- 具体的にとるべきアクションが見つかるまで掘ってみる
- 個別の解決策とともに、総合的な解決策も考える
- 不安なときは、他人にチェックしてもらう(2-3種類のロジックツリーを使って相互にチェックする)
普遍的な二項対立とは
上記の3番目にある、「普遍的な二項対立」とは、「抽象と具体」、「長期的と短期的」、「効率と効果」、「インプットとアウトプット」、「量と質」、「入り口と出口」などで、
こうした普遍的な二項対立を頭に入れておくことで、分解能力は飛躍的に上がる。慣れてくると対立する内容を自然と考えるようになるので、ほぼ自動的に一段上の次元から対象を捉えることができる。一段上から捉えることで、新たな視点と選択肢を持つことができるだ。
とのこと。そして、その中でも著者の山口揚平先生が一番使うのが、
- 目的と手段
- 原因と結果
の二つだそうです。
さらに詳しくこの二項対立の例を知りたい方は、本書の90pをチェックください。そこには、60個ほどの二項対立の例が掲載されています。
コーザリティマップで物事の関係を考える
思考のツールのもう一つがコーザリティマップです。「コーザリティ」は、英語のcausalityで、「因果」を意味します。becauseという単語の後半の”cause”と考えるとイメージがつきやすいでしょう。
具体的な事例が99pに掲載されていますが、ロジックツリーで分解した一つ一つの要素を原因と結果の矢印で繋いでいくものです。
ロジックツリーは講座王の分解を行ううえで役立つが、コーザリティマップではさらに物事の循環・流れを明らかにすることができる
というのがコーザリティマップを使う意味合いです。
思考のツールで読み解く未来図
本書のユニークなところは、著者の山口揚平先生の考える将来の社会情勢が解説されているところです。いわく、
オリンピックまでは1960年代から作り上げてきた旧社会システム・既存産業を何とか温存しようとするだろう。だがオリンピック後の2022年から2023年にかけてそれも崩れていく。新旧体制(社会システムと産業)の交代が起こるのはちょうど大阪万博の開催される2025年以降だと推察する。
と大胆に言い切っています。
その新たな姿がどのようなものかh、
- お金から信用へ
- 縦のソサエティから横のコミュニティへ
- 個人から関係へ
と言うキーワードでまとめられているでしょう。
しかし、このパートは根拠に乏しいため、著者の個人的な見解であって、必ずしも同意は得にくいのではないかと思いました。
画像はアマゾンさんからお借りしました。