前回までにお送りした「その1」シリーズでは、「交渉のカード」をキーコンセプトに概要を見ましたが、このシリーズでは交渉のテクニカル<技術的>な側面にも踏み込みます。
ロジカルシンキング~BATNA
まず知っておいて欲しいのは、「BATNA (バトナ)」というコンセプト。
これは、
Best Altenative To a Negotiated Agreement
の頭文字をとったもので、訳すならば、交渉により形成された合意よりも良い選択肢、となります。
なにやら難しげに聞こえるかもしれませんが、要するに、交渉のときにギリギリ譲歩できるラインと考えれば間違いなし。「これ以上は譲れない」ってとき、あるでしょ?
ロジカルシンキング~ジュース売りで考える
第1回目に登場した、砂漠のオアシスでジュース売る屋台のオヤジと旅行者のこんな会話を思い浮かべてください。
ジュース売り: 「だんな、このひんやり冷たいオレンジジュース、100円あるよ」
旅行者 : 「100円はなんぼなんでも高いだろ。せいぜい50円だ!」
ジュース売り: 「50円!とんでもない!!そんな値段で売ったら儲けなんか
なくなっちゃう。まけるとしても、せいぜい90円あるよ」
旅行者 : 「なら、間をとって60円で手を打とう。どうだっ!」
ジュース売り: 「だめだめ。せめて80円だな。これ以上はまけないよ」
旅行者 : 「そこをなんとか、70円で」
ジュース売り: 「それでは売れない。80円はダンコ死守するもんね」
旅行者にとって、ギリギリ譲歩できるラインは?70円でしょうか?80円でしょうか…!?
というのは、「他の選択肢」によって決まります。
たとえば、角を曲がったところで別の屋台が1杯75円でジュースを売っていたとしたら?
ギリギリ譲歩できるラインはこの75円に決定されるので、もしこの屋台が1杯80円にこだわり続けるならば、合意を形成する必要はないわけです。
BATNA (バトナ)の、
Best Altenative To a Negotiated Agreement
=交渉により形成された合意よりも良い選択肢
というニュアンスがつかめてきたでしょうか?
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意外と知られてない譲れないライン