「論理思考、もうちょっとしっかり伸ばしたい…」

と思ったときぜひ手に取りたいのがこちら。

細谷 功著、地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

評価は

★★★★★ (ゼッタイお薦め。一生ものの価値あり)(評価の基準はこちら)

内容的にはちょっと難しいので中級者から上級者へのステップアップにお薦め。

論理的にモノを考える力を「地頭力」というキーワードでまとめて上手に説明してくれています。

おそらくは筆者の実体験に基づいているかと思うのですが、「地頭力」がないゆえに仕事がうまく進められない例がビビッドに紹介されているので、「あ~、だからか!」と思い当たる読者も多いのでは?

さらに本書の素晴らしいのは、そのような問題点に対する解決策が述べられているところ。

以下、ポイントを。

●頭が良い
 物知り
 機転が利く
 地頭が良い
  知的好奇心 (原動力)

  論理的思考力 (守り)
  直感力 (攻め)
           
  仮説思考力 (結論から考える)
   今ある情報だけで最も高い結論(仮説)を想定し
   常にそれを最終目的地として強く意識して
   情報の精度を上げながら検証を繰り返して仮説を修正しつつ最終結論に至る
  フレームワーク思考力 (全体から考える)
   対象とする課題の全体像を高所から俯瞰する全体俯瞰力(ビッグピクチャーシンキング)
   とらえた全体像を最適の切り口で切断し、断面をさらに分解する分解力
    分類(狭義のフレームワーク)
    因数分解
  抽象化思考力 (単純に考える)
   対象の最大の特徴を抽出して「単純化」「モデル化」した後に
   抽象レベルで一般解を導き出して
   それを再び具体化して個別解を導く

●インターネットの世界の「ロングテール」減少は顧客分析の定番であったパレートの法則があてはまらなくなってきていることを表している。

●地頭力を鍛えると圧倒的に仕事の生産性を上げることができる

●フェルミ推定のプロセス
 アプローチ設定 モデル分解 計算実行 現実性検証

●地頭力がない人のパターン
 「二日後でないと回答できない」
 「全体ストーリーがない」
 「とりあえずデータを集め始めた」
 「『南米ユーザー』で時間をとられる」
 「集めたデータが使われない」
 「マイルストーンを考えていない」
 「目次は内容が決まってから」
 「前提条件がなくて先に進めない」

●必要性
 仮説思考
  「我々の周りの課題は、ビジネスであれ日常生活であれ曖昧でつかみどころのないことや複雑に事象が絡み合って一筋縄では解決しないことだらけである。こうした状況で探索的に解を探そうとすると、種々の条件の組み合わせをすべて試す羽目になって天文学的な組み合わせの数の解を試さなければならなくなり、非効率どころか結論に近づくことすらできなくなるであろう」

●吉田たかよし、「できる人は地図思考」
 二人一組になって説明役に架空の地図が渡されて、もうひとりの聞き役に口頭で説明する

●ROE
= 当期純利益÷株主資本
=利益率×総資産回転率×財務レバレッジ

●抽象化能力の高い人はたとえ話がうまい

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