ロジカルシンキング「だけ」だと発想力が限定されてしまうことってあります。
そんな時に知っておきたい思考のツールがマインドマップ。これを、本家とも言うべきトニー・ブザン氏が解説してくれているのがこの本です。
トニー・ブザン著、「マインドマップ超入門 (トニー・ブザン天才養成講座) (トニー・ブザン天才養成講座 1)」
マインドマップ描き方のガイドライン
マインドマップ作成のテクニックに関して
- 重要なものは強調する
- セントラルイメージを中心において視線を集める
- セントラル・イメージに三色以上使い、記憶力と想像力を刺激する
- イメージ(絵)を使い、左脳と右脳を連繋させる
- イメージ(絵)や言葉を立体的に描いて目立たせる
- 視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚、空間認識など、身体感覚を総合的に使って描き、イキイキと記憶に残るものにする
- 文字、ブランチ、イメージは大きさの変化でメリハリをつける
- 関連する項目はつなぐ
- 矢印を使い、関連のあるところに視線を向けさせる
- 色を使い分け、記憶力と創造力を高める
- 関連する項目がマインドマップ全体に散らばっているときには、河川や記号を目印にして、一目でわかるようにする
- 読みやすいようにハッキリ書く
- 1本のブランチの上にはキーワード(あるいはキーイメージ)をひとつだけ記入する
- キーワードはブランチの上に、ブランチの曲線に沿うように書く
- ブランチの長さとその上に記入する単語の長さを同じくらいにする
- メインブランチはセントラルイメージと切れ目なくつなげる
- ブランチは互いに切れ目なくつなげる
- メインブランチは太く描く
- 紙は横長に使う
- 文字はできるだけ水平に描く
- 自分のスタイルを確立する
マインドマップ作成のレイアウトに関して
- 階層構造にする
- 番号を振る
追記:マインドマップの応用、問題解決とプレゼンテーション
著者のブザン氏は、マインドマップは問題解決とプレゼンテーションのような、従来はロジカルシンキングを使って考えるべき分野にもマインドマップは使えると提唱しています。
マインドマップによる問題解決
問題というのは、「対立」と言い換えてもいいのですが、二つのグループが何らかの点をめぐって主張し合っている状況です。その際、
マインドマップは、自分の考えだけでなく、他の人びとの視点を探ったり、もめ事や問題を解決する手段にすることができる。こうした使い方をすると、当事者全員に平等な発言力を与えることができ、互いにものの見方を客観的に比較できる。
とのこと。
たしかに、問題解決といってもいわゆる「声の大きい人」の主張が通るだけでは他の人が不満で、結局根本的には解決しないでしょう。いつまでも問題がくすぶり続けるとでもいうか。頭の中にあるコンセプトを外部に見える化できるかたちで書き出せば、お互いに考えるところが明確になって、歩み寄るべきところは歩み寄る、という発想になるかもしれません。なお、ブザン氏はマインドマップによる問題解決のメリットとして下記を挙げています。
- 公平な意見交換ができる
- 全体像についてのバランスのとれた視点が持てる
- 当事者全員がお互いに敬意を払い、率直になれる
- どんな問題も大局的に見ることができる
- マインドマップが話し合いの記録になる
- マインドマップを描く過程で理解が深まる
マインドマップによるプレゼンテーションの準備
プレゼンテーションも、単に自分のやっていることの発表ではなく、
聞き手を惹きつけて夢中にさせ、重要な情報を大勢の人に伝える理想的な手段
と捉えれば、マインドマップによる事前準備が大事になってきます。具体的には、下記のステップでプレゼンの準備をすることが提唱されています。
- テーマやトピックを表すセントラル・イメージを描く
- テーマやトピックについて頭に浮かんだ考えを思いついた順にすばやくミニマインドマップに書いていく
- メインブランチを構成する重要な要素をBOIに選び他に加えるべきBOIがないかを検討する
- BOIに焦点をあて、サブブランチに乗せるキーワードとイメージを考える(多くても合計50まで)。キーワード1つについて約1分間話すことを目安に構成してみよう
- 優先順位をつける それぞれのBOIに分類されたサブブランチの数をできるだけ絞り込み、話す順番を決めたらブランチに番号を記入する
- 記号、色、矢印などを描きたして結びつきや関連付けを示し、スライドやビデオなどの素材を挟む場所を示す
- それぞれの話題に時間を書き入れる。後は自分の書いた指示に従ってプレゼンテーションするだけだ
※BOI: Basic Ordering Ideas: 本の見出しに相当する言葉。マインドマップでは、メイン・ブランチ上に太く大きく書く。
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