「交渉による合意の形成」シリーズ、最優先のカードがぶつかってしまうと交渉での合意は難しいことを見ました。

ロジカルシンキング~交渉上手な人のワザ

ところが、交渉上手な人というのは、これを上手に使うのです。
自分が最優先するカードは決して相手に悟らせない…どころか、違うカードを優先しているように交渉の際に見せかけます。

「この点は、この条件で」、「いや、これは当方としても譲れない」なんて会話をしばらくしたあとで、いかにもしょうがないというフリで、ニセ最優先カードを諦めます。

「そこまで言われるなら、これは諦めますよ」、と。

そして、おもむろに「代わりに、こっちの条件ではウチの言い分を通させて下さいよ」とホンモノの最優先カードで有利な条件を引き出すのです。

それは、まるでトランプのポーカーのよう。

手持ちのカードを隠すのはあたりまえ。
「ブラフ」といいますが、自分の最優先のカードなのにわざとチョー強気な条件を出したり、自分の最優先のカードが何かを相手に悟らせないのが勝てるポーカープレイヤーなのです。

考えてみれば、「カード」という例えや、「ポーカーフェイス」なんて言葉もポーカーに由来するものですね。

私たちもファシリテーターとしてではなく、1交渉者として会議に臨む場合もあるので、ぜひこのポイントは押さえておきましょう。

ロジカルシンキング~会議の準備で考えておくこと

これを実際の交渉という緊迫した場で実践するためには、ぜひとも「ノーセイ(No Say)条項」を事前に決めておきたいところ。

というのは、交渉が熱を帯びてくると、ついつい余計なことを言っちゃって、自分の最優先のカードは何かが相手にばれてしまうことがあるものです。

これを避けるために、「No Say (ノーセイ)」、つまり「交渉中に絶対に言ってはならないこと」を事前に頭に刻みつけておく必要があるのです。

うーむ、しかし…

会議の場合、参加者がみんな「ノーセイ条項」を胸に刻んでいたら、ものすごく効率悪そうだな。腹のさぐり合いが延々続いて…。

と言うときに、ビジネス・ファシリテーターがやらなければいけないことは?

答えは、次回。

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交渉する時ポーカーフェイスが有利なわけ

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