「ロジカルな話し方がしたい…」と思ったときに思わず手にとってしまうかもしれないのが茂木秀昭先生のご著書、「[ポイント図解]論理的な話し方が面白いほど身につく本」です。
ちなみに、著者の茂木先生は本書以外にも、
茂木秀昭著、 「60分」図解トレーニングロジカル・シンキング
茂木秀昭著、ビジネス・ディベート
などの著書をお持ちです。ロジカルシンキングという分野の第一人者と言っていいでしょう。

論理的な話し方の12のチェックリスト

本書はまず論理的な話し方のチェックリストから始まります。

  • A. 話す内容を事前に頭の中でまとめてから話すようにしている
  • B. 思いつきで話すので名無しに脈絡がなく、話が良く飛ぶ

  • A. 相手に話がわかるように、言葉数を多くするようにしている
  • B. いちいち説明するのが面倒くさいので、言葉を省略することが多い

などの設問です。仮にBが6個以上あったら、論理的な話し方が出来ていない可能性があるとのことなので、ご自身の話し方に問題意識を持っている方はチェックしてはいかがでしょうか?

「意見」と「議論」は異なる

ロジカルコミュニケーションの目的は「相手を動かすこと」とした上で、著者の茂木秀昭先生は意見と議論は違うと言うことを重視されています。

問題なのは、議論をしなくてはいけないときに、単なる自分の「意見」で終わってしまうことです。(中略)「議論」とは、意見の相違を出発点として、その違いを埋める知的プロセスのことです。相手に反論することも、相手から反論されることも前提にして、お互いが感情的にならずに、合理的な根拠をもとに説得し合う「建設的な意見交換」の機会です。

とのことで、ここら辺は「ビジネスディベート」などの著書もお持ちの茂木先生の面目躍如と言ったところでしょう。

ロジカルコミュニケーションのための三角構造

では、どうやったら効果的な議論が出来るのか。そのための基本が論理的な、すなわちロジカルな話し方であり、基本は主張と根拠を分けて話すことです。加えて、一口に根拠と言ってもデータ(事実や統計、専門家の意見など)のほかに、そのデータをより一般化した論拠(ワラント)と呼ばれるものがあるとのこと。
これだけだとピンときませんが、後段の説明、

論拠(ワラント)=一般的な傾向、原理・原則、法則性、常識などより大きな理由づけ

あるいは、

  • 大前提≒論拠:原理
  • 小前提≒データ:事実

を聞くと、確かにデータと原理は違うよなぁ、とわかってきます。言葉としてはむしろ、「前提条件」や「一般的に知られたルール」という方がしっくりくる感じではあります。
そして著者の茂木秀昭先生が提唱しているのが、自身の主張をデータと論拠の二つで支えるという三角話法です。
たとえば、あるゲーム会社の中で、「シェア拡大を優先しよう」という主張をしようとしたとします。この場合、

一般的にシェアの大きいハード対応のソフトがより利益を見込める

という論拠と、より個別・具体的なデータである

シェア50%超からソフトの供給大幅増

を組み合わせることで、説得力が出るとのことです。

[茂木秀昭]の[ポイント図解]論理的な話し方が面白いほど身につく本 (中経出版)
画像はアマゾンさんからお借りしました。

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