アナロジーは英語では Analogy。「類推」、「類比」と訳され、アイデアを拡げる際に「似たようなもの」を軸に発想する方法論がアナロジー思考と呼ばれる。

アナロジーの実例

実際のアナロジーを考えてみましょう。その時に参考になるのが一頃流行った芸人さん、Wコロンさんの謎かけ芸です。ねずっちさんが、「整いました」と言うところから始まるアレです。

ねずっちさん:整いました!

木曽さん:整いました!

ねずっちさん:「ウイスキー」とかけまして、「犯罪者」とときます。

木曽さん:そのココロは?

ねずっちさん:どちらも「わるもの(=悪者)」です

というのが典型的なネタ。

これを使ってアナロジー思考をするならば、こんな風になります。

ロジカルシンキングとかけて、スポーツとときます

そのココロは?

どちらも練習すれば上達するもの

お後がよろしいようで…。

アナロジーこそロジカルシンキング

では、アナロジーを考えるときに頭の中で何が起こっているか考えてみましょう。Wコロンさんはどちらかというとだじゃれ(音が近いもの)を題材にしていますが、ロジカルシンキングの謎かけは、「物事の本質は?」を考えています。つまり、「一口にロジカルシンキングと言っても様々な側面がある。その中でも特に重要なこと=本質は何か?」を考えているのです。その本質が「練習すれば上達するもの」であるとすれば、それに似たもの、すなわちアナロジーを考えて「スポーツ」を思いついたという流れです。

もちろん、アナロジーで考えれば例えられるものはスポーツでなくてもかまいません。楽器、合唱、書道…、練習すれば上達するものであれば何でも成立します。

あるいは、「本質」が変われば、例えられるものの変わります。例えば、「誰もが子供の頃に身に付けておくべきもの」という本質があるとしたら、

ロジカルシンキングとかけて、読み書きそろばんとときます

そのココロは?

どちらも子供の頃に身に付けておくべきもの

となるのです。

このように、「本質は何か?」、「それを説明するのに適した題材は何か?」を考えるのは、ロジカルシンキングに他なりません。

戦略におけるアナロジー思考

ちなみに、このようなアナロジー思考は戦略を考える際にも使えます。というのは、「他業界でやっている上手なこと」を自業界に持ち込むと、ビジネスを拡大させるきっかけになるのです。

たとえば、「ジレットモデル」。元々はその名の通り、ジレット社のカミソリにまつわる戦略です。そのココロは、持ち手(ハンドル)を安く売って、ブレード(カミソリの刃)を継続的に使って儲けようというものです。言われてみれば、ブレードの刃の枚数が2枚から、3枚、4枚、5枚と増えて、その分だけ金額が上がっていることに気づきます。

これを上手に採り入れたのがプリンター業界。プリンター本体は安く売って、インクカートリッジを継続的に使ってもらうことによって儲けようというのは、ジレットモデルのアナロジーそのものです。

 

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